何も考えたくない

布団に横たわっている。全身が発熱しているように感覚するも、きっと体温は上がっていないと経験が告げる。
夏だ。暑い。
 
ここのところ働き詰めなわたしはどうにも心があやふやで、小さなことであちらとこちらを行きつ帰りつするのを繰り返していた。
それはひどく疲れるので、出来れば回避していたいのだけれど、どうにも心はままならない。
18歳のわたしも15歳のわたしも12歳のわたしも「大人になれば」変わるし「ここじゃなければ」(もちろん良い方向に)変わるのだと、信じていた。
しかし人類千万年の史実通り、そのようなことはなかった。
わたしはわたし、というやつである。地獄だ。
 
今のところ、【大人にはきっとなれず大人っぽいのはひとの性格】ということにしていて、【人と接すると人の子供っぽいところをたくさん見られるというボーナス的なやつがあり、体験している状態】である。
子供っぽい大人や大人っぽい子供はたくさんいて、大人っぽい大人がたくさんいるとは限らないらしい。
わたしは思い描いた大人にはならず、歳をとるらしい。
 
薄い掛け布団を被っている。
暑さを考えれば被らないほうがいいだろうものを被る。
「布団を被る」で検索しようとすると、「心理」を付けてサジェストされるのがツライ。
サジェストしてくれたのだからと善意を装ってそれで検索するとよくわからない女性向け記事タイトルが並びまくり、ツライ。
もう何もかもがツライ。
精神のはなしをすると頭がおかしくなるのか、単にこぼれたミルクは戻らないというアレなのか、精神は加速度的におかしくなっているのかもしれない。
外面的には不登校児から週六勤務フリーター(中卒)にステップアップしたと思っていたのだが、なにかがおかしいのかもしれない。
 
変わってると言われるのは慣れたし天然と言われるのも慣れたしそれらに憤慨するのにもだいぶ慣れた。慣れたからもういい。慣れたからこれからもきみたちの優しさでわたしをその枠にはめてくれればいい。
 
新しいアルバイト先に勤務し始めて2ヶ月がたった。
人並みに会話するよというキャラクター設定で足を踏み入れてしまったので、人並みに会話しなければならず、頭の回転が足らず、毎度ツライ。
繁忙期ということもあり、ツライ。
あと人の徳が低いのか普通のにんげんはこの頻度で人の悪口を言う習性があるのかは知らないが、人の悪口がよく出る。
しかし悪口といっても「マジウゼェ」「無視しよ」とかではない、「Aさんマジ(笑)」「Bさん話通じないよね」などの狡猾な言葉があるのみである。
わたしは人の悪い面に関して(恐らく)過剰に同意してしまうという癖(ヘキ)があって、人と深く関わっていないので悪口を思い付く隙間もないのである。
というより罵りは環境と自分にしか出て来ず、人個人に罵りは出て来ない。
というよりまず悪口って怖い。背筋を通る氷そのもの。
自分にできないことをしていて、レッツを求められるのは難儀だ。
 
というわけで悪口が怖い。
そして職場が嫌だ。
(このようなところでも自分のポテンシャルよりハイグレードな場で思春期を過ごすと転落したその後の人生で困るという、我が人生でヘビロテのやつが登場している。)(ツライ。)
 
何も考えたくないし15連勤の9連勤目で心があやふやなので、この感傷も何もかもも生理と勤務2ヶ月め独特の倦怠ということにしておく。
何も考えたくないので何も考えないものを書いてしまった。
理想とかけ離れたものができた。
何も考えたくない。
ゴミ文を書く自分も無理。なんだこれ、何ができたんだこれ。
はやくまともになりたい 
 
おわり